1995 年 57 巻 4 号 p. 763-766
生後1ヵ月の女児。5生日に四肢, 躯幹の0.5mm大の紅色小丘疹に気付く。数日にて増数し個疹も増大してきた。入院時(31生日)には全身皮膚に0.5∼1.0mm大の紅色小丘疹を約160個認め, 口腔内にも同様の小丘疹を2個認めた。またMRI, 超音波検査にて肝臓に血管腫と考えられる腫瘍性病変を認めた。皮膚病変は組織学的には類上皮細胞様内皮細胞からなる毛細血管の増生であった。プレドニン8mg/日の経口投与にて皮膚の血管腫はわずかな色素沈着を残してすべて退縮し, 肝内の陰影も著明に縮小した。