西日本皮膚科
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症例
Ki-1 Lymphoma
川村 邦子江口 弘晃花田 二郎山本 美保昆 みゆき堀越 貴志
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1995 年 57 巻 4 号 p. 767-770

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抄録

68歳の女性の背部に生じた皮膚原発のKi-1リンパ腫の1例を報告した。初診の約10ヵ月前に左肩甲骨部に紅色丘疹が1個出現したが放置していた。初診時, 左肩甲部に32×17×3mmの弾性硬赤褐色の中心部に潰瘍を伴う腫瘤が存在した(なお潰瘍は同部にすえたお灸によるものであった)。表在性リンパ節の腫大, 肝脾腫はなかった。病理組織学的に真皮乳頭層から網状層に大型の腫瘍細胞の稠密な浸潤を認めた。著明な核分裂像も認めた。Reed-Sternberg細胞類似の多核巨細胞も散見された。表皮内浸潤はなかった。大型の腫瘍細胞はKi-1抗原, IL-2 receptor, transferrin receptorおよびHLA-DR陽性でTリンパ球, Bリンパ球のマーカー, epithelial membrane antigenは陰性。末梢血, 骨髄に異常細胞はなかった。抗ATLA抗体陰性。胸部X線, Gaシンチ, CTにて原発巣を示唆する所見はなかった。治療には免疫賦活剤である臨床治験薬のwhole peptidoglycanを局所投与した(総投与回数は56回, 総投与量は200mg)。平成6年12月現在(本剤投与終了後2年8ヵ月経過), 皮疹の局所再発, 臨床諸検査にて全身に再発病変はなく全身状態は良好。皮膚原発のKi-1リンパ腫は比較的予後良好であり, 文献的にも本症では化学療法を含む強力な治療をさけるべきであることが示唆された。

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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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