西日本皮膚科
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研究
皮膚糸状菌用鑑別培地で赤変のみられないMicrosporum canis
中村 遊香森 智子渡辺 晋一高橋 久長谷川 篤彦
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1995 年 57 巻 4 号 p. 774-778

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抄録

1990年から1993年までの4年間に帝京大学皮膚科外来において患者から分離したMicrosporum canis12株を皮膚糸状菌同定のための鑑別培地(DTM)で培養した。その結果, 5株では皮膚糸状菌で認められる培地の赤変がみられなかった。そこでこれら5株を4種類の培地を用いて継代培養を行ったところ赤変が認められるようになった。以上のことから皮膚糸状菌の中でもM. canisにはDTMでの培養で分離時赤変が認められない株が存在するが, これらの株でも継代培養の条件によってはDTMの赤変が認められるようになることが判明した。したがってDTMの赤変によって皮膚糸状菌かその他の真菌かを判別することは必ずしも適当ではなく, 皮膚糸状菌の肉眼的な集落形態を把握し, 鏡検によって形態学的同定を行うことが, 誤った判断を防ぐ上で重要であると考えられた。

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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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