西日本皮膚科
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研究
進行性全身性強皮症の血漿中エンドセリン値
—臨床的意義について—
原 典昭藤澤 崇行田端 英之山崎 雙次
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1995 年 57 巻 5 号 p. 1028-1033

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抄録

当科における進行性全身性強皮症(以下PSS)39例の血漿中エンドセリン値を測定した。血漿中エンドセリン値はacrosclerotic type25例中11例, diffuse scleroderma14例中9例に高値を示し同一症例では夏期に比し冬期に, また肺線維症やpitting scar or ulcerを伴う症例に高値を示す傾向がみられた。また皮膚潰瘍の増悪·改善に相関してエンドセリン値も変動した。一方, 予想に反し指趾切断例は正常値あるいはわずかに高値を示したのみであった。血漿中エンドセリンの測定はPSSの皮膚潰瘍, 肺病変の予後の判定に有用であると考えた。

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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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