1994年10月から12月までの3ヵ月間に六日市病院でみられた褥瘡患者57名の褥瘡病巣の細菌叢について検索した。病巣から分離された細菌の多くはMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌), MSSA(メチシリン感受性黄色ブドウ球菌), 緑膿菌であった。病巣を生じた部位をみると仙骨部が最も多く, 緑膿菌は褥瘡が単発した大きい病巣から, MRSAは多発した中小潰瘍から分離される傾向がみられた。主要な分離菌であったMRSA, MSSA, 緑膿菌については十数種の抗菌剤に対する薬剤感受性も決定し, その結果, 一部で耐性化が進行していると考えられた。