西日本皮膚科
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統計
琉球大学医学部附属病院皮膚科外来における過去10年間のらいの集計
細川 篤上里 博野中 薫雄宮里 肇伊集 操
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1995 年 57 巻 6 号 p. 1176-1183

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抄録

昭和57年から平成3年までの10年間の琉球大学医学部附属病院皮膚科外来のらいの集計を報告した。総新患者は113名, 未定型群9例(8.0%), 類結核型47例型(41.6%), 境界群43例(38.0%), らい腫らい11例(9.7%), その他3例であった。新患の減少, 類結核型やらい腫型及び未定型群の減少と境界群(特にborderline tuberculoid leprosy)の比率の増加, 老人らい及び高齢の女性の比率の増加と小児らいの減少等の傾向から琉球大学医学部附属病院が位置する沖縄県地方のらいが消退期にあることを示すと考えられた。しかし少数ではあるが小児らいや未定型群の散発があり中年層の新患が比較的多い点などから, まだしばらくは新患が発見されると予想される。手足の変形や脱毛などの後遺症は低頻度で軽症例が多かった。しかし, らいに関する情報不足から誤診例や診断が遅れ後遺症を残す症例も散見された。また外国人らいが増加しており沖縄県地方でも将来発見される可能性が大きいと考えられた。

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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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