西日本皮膚科
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治療
表在性白癬に対するSTR液の臨床試験成績
松田 哲男堀 嘉昭松本 忠彦
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1996 年 58 巻 1 号 p. 138-143

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抄録

Tioconazoleの1%含有液剤であるSTR液の手·足白癬, 体部白癬および股部白癬に対する有効性, 安全性ならびに有用性を検討するため, 九州大学医学部皮膚科とその関連施設による研究班を結成し, 臨床試験を実施した。試験実施総症例は77例で, その内訳は手·足白癬50例, 体部白癬14例および股部白癬13例であった。真菌学的効果と皮膚所見の結果を考慮した最終総合臨床効果判定で有効以上は手·足白癬65.1%(28/43), 体部白癬72.7%(8/11), 股部白癬91.7%(11/12)であった。副作用は6.8%(5/74)に発現し, いずれも塗擦部位に限局され重篤なものは認められなかった。また, 有用性判定で有用以上は手·足白癬73/3%(33/45), 体部白癬81.8%(9/11), 股部白癬91.7%(11/12)でtioconazole 1%クリーム(トロシー®クリーム)の臨床試験成績と同等の有用性が得られた。以上の成績より, STR液は表在性白癬に対し有用な薬剤であると考えられた。

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© 1996 日本皮膚科学会西部支部
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