西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
超音波診断装置により皮膚厚の経時的変化を観察しえた全身性強皮症
浦 博伸尹 浩信原田 栄古屋 勉下妻 道郎竹原 和彦
著者情報
ジャーナル 認証あり

1996 年 58 巻 1 号 p. 29-31

詳細
抄録

63歳の男性。初診2年前に直腸癌にてMiles手術施行。初診半年前に三相性のRaynaud現象, 関節痛, 朝のこわばりが出現。初診時, 強指症, 躯幹にまで及ぶ近位皮膚硬化, 手指屈曲拘縮, 瀰漫性色素沈着, 舌小帯短縮を伴っていた。検査所見では, 血沈亢進, CPK軽度上昇, 抗nRNP抗体陽性。食道の弛緩拡張, 蠕動低下がみられたが, 肺線維症は認められなかった。前腕·胸部の病理組織像では, 真皮全層に及ぶ膠原線維束の膨化, 増生。プレドニゾロン20mg/day内服にて皮膚硬化, 関節痛の軽快, 検査所見の改善を認めた。経時的に超音波診断装置を用いて皮膚厚を測定し, 皮膚硬化の軽快に伴って皮膚厚が減少することが確認された。

著者関連情報
© 1996 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top