西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
悪性線維性組織球腫
長治 順子津田 眞五山本 暢宏西岡 昭二田中 克己笹井 陽一郎
著者情報
ジャーナル 認証あり

1996 年 58 巻 1 号 p. 50-54

詳細
抄録

68歳の男性に生じた悪性線維性組織球腫の1例を報告した。初診時, 腰背部右側に2×3cmの皮下腫瘤を認めた。病理組織学的に, 皮下に異型性の強い線維芽細胞様細胞と組織球様細胞からなる細胞塊がみられ, bizarreな核を有する巨細胞も混在した。一部にmyxoidの変化を伴うstoriform-pleomorphic typeの悪性線維性組織球腫と診断した。PG-M1(単球/マクロファージ関連抗原と反応するモノクローナル抗体), HHF-35(筋線維アクチンやmyofibroblastと反応するモノクローナル抗体)を用いた免疫組織染色で, 腫瘍構成細胞の一部に陽性所見を認めた。KP-1(汎組織球マーカー), α1-antitrypsin, α1-antichymotrypsinなどとの反応性はなかった。電顕的には, 腫瘍は主に線維芽細胞様細胞, 組織球様細胞, 巨細胞より構成され, いずれの細胞にも異型性がみられた。

著者関連情報
© 1996 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top