西日本皮膚科
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症例
末梢神経障害が主訴であったらいの3例
細川 篤上里 博野中 薫雄宮里 肇金城 浩邦
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1996 年 58 巻 1 号 p. 83-88

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抄録

末梢神経障害が主訴の境界群らい, purely neural leprosyおよび, 類結核型らいの3例を報告した。四肢の知覚鈍麻·脱失(温冷覚, 痛覚, 触覚)や神経痛様疼痛及び四肢運動機能障害など末梢神経障害を主訴として神経内科あるいは整形外科などを受診し, らいを疑われ皮膚科を受診した自験例3例は, らいの皮膚病変が少数であるか欠如したり皮疹の色調が淡かったり足底などにあり目立たないために診断が遅れ末梢神経障害を残した。しびれ感などの末梢神経神経症状の訴えがある場合, 特にそれが解剖学的神経分布に一致しない場合はらいを疑って知覚検査や菌学的検査などを行う必要があると考えられた。

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© 1996 日本皮膚科学会西部支部
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