1996 年 58 巻 2 号 p. 233-236
56歳の男性のレックリングハウゼン病患者の右前胸部に生じた悪性神経鞘腫の1例を報告した。腫瘍は手拳大の大きさで病理組織学的には一部にstoriform-patternをとる異型性の強い紡錘形から卵円形の細胞で構成され, 多数の分裂像, bizarre細胞を認め一見悪性線維性組織球腫を思わせた。しかるに, S-100蛋白染色陽性, NSE染色陽性, また電顕像で基底膜を認めたことから悪性神経鞘腫と診断した。術後に化学療法2クール施行し現在経過観察中である。