西日本皮膚科
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研究
ベーチェット病における血液凝固能および血小板凝集能の検討
王 黎曼峰下 哲宮下 英夫
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1996 年 58 巻 2 号 p. 278-280

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抄録

43例のベーチェット病患者におけるプロトロンビン時間(PT), 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT), フィブリノーゲン(FIB)及び血小板凝集能(ADP, コラーゲン, エピネフリン)を測定した。PT及びAPTTは対照の健常人に比し, いずれも正常範囲を示し, 活動期の症例ではAPTTは統計的に有意ではないが高値を示す傾向があった。FIBは対照の健常人に比し, 384.3mg/dlと高値を示し有意差がみられ, とくに活動期の症例では著明な増加を示し(420.3mg/dl), 寛解期との間に有意差が認められた(P<0.05)。またコラーゲン凝集率の平均値は64.9%と上昇傾向を示した。活動期にある20例では血小板凝集能の異常例は20%であった。この結果によりベーチェット病の病態は血液凝固能亢進および血小板凝集能亢進, 活動期における血漿FIB値の上昇と強く関与していることが示唆された。

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© 1996 日本皮膚科学会西部支部
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