1996 年 58 巻 3 号 p. 429-432
白血病(B-CLL)に併発した原発性皮膚アスペルギルス症を経験したので報告する。症例は81歳の女性。G-CSF皮下注射部に一致した紅斑として出現し, やがて水疱を伴う皮下硬結となり数日後には潰瘍化するとともに徐々に拡大した。潰瘍底の壊死組織内に二分岐性の太い真菌要素を認めた。培養によりA. fumigatusを分離した。イトラコナゾール内服とアンホテリシンB静注·外用療法で潰瘍の拡大傾向は治まった。しかし潰瘍及び皮下硬結が残ったためデブリドマンと分層植皮術を施行した。その後再発はみていない。