1996 年 58 巻 3 号 p. 486-492
抗真菌剤硝酸オモコナゾール(HCC-155)1%クリームの「1回/1日投与」, 「1回/2日投与」それぞれの投与法における足白癬に対する臨床的有効性, 安全性, 有用性を封筒法を用いて検討した。試験実施症例数は217例(1回/1日投与群108例, 1回/2日投与群109例)であった。皮膚所見と菌所見より判定した最終総合効果は1回/1日投与群78.4%, 1回/2日投与群75.3%と両群で高い有効率が得られ両群間に有意差は認められなかった。副作用は脱落例などを除いた207例中7例(3.4%)に認められ, すべて塗布部皮膚の局所症状であった。両群間の副作用発現率に有意差は認められなかった。有用率は1回/1日投与群79.2%, 1回/2日投与群80.9%と両群で高く両群間に有意差は認められなかった。以上の成績から1%HCC-155クリームは「1回/1日投与」および「1回/2日投与」の両投与法において足白癬に対し有用な薬剤であると考えられた。