西日本皮膚科
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治療
「植物物語薬用ボディソープ®」, 「植物物語薬用石鹸®」の皮膚刺激性および乾燥性皮膚疾患患者に対する使用成績
渡辺 靖横山 美保子太垣 成実一柳 厚史小池 泰志
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1996 年 58 巻 4 号 p. 691-696

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抄録

敏感肌用として新たに開発された身体洗浄剤「植物物語薬用ボディソープ®」および「植物物語薬用石鹸®」の皮膚刺激性と乾燥性皮膚疾患患者に対する有用性について検討した。「植物物語薬用ボディソープ®」はアミノ酸系の洗浄成分を主体とし, これに皮膚保護成分の精製スメクタイトを配合しており, また「植物物語薬用石鹸®」はラウリン酸を低減し保湿剤(グリセリン, ソルビット)を配合しており, いずれも低刺激性と使用感の良さを特徴としている。初めに両洗浄剤の皮膚刺激性をモルモットを用いた連続塗布試験で評価した。その結果これらの両洗浄剤は, それぞれ健常人において安全性が確認されている市販ボディソープ, 石鹸と比較して明らかに低刺激性であることが示された。次に両洗浄剤の乾燥性皮膚疾患患者における有用性を検討するために外来加療中のアトピー性皮膚炎(AD)を含む乾燥性の皮膚疾患患者(ボディソープ: 21名, 石鹸: 36名)を対象に, 両洗浄剤の使用による臨床症状におよぼす影響と治療補助効果について検討した。試験では各患者に対して従来の治療法に加えて植物物語薬用身体洗浄剤を使用した。その結果ボディソープでは21例中20例(95.2%), 石鹸においては36例中33例(91.7%)に治療補助効果が認められた。また臨床症状を悪化させるなどの副作用については全例に認められなかった。以上の結果より敏感肌用として新たに開発された両洗浄剤はADを含む乾燥性の皮膚疾患患者に対して有用な身体洗浄剤となることが示された。

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© 1996 日本皮膚科学会西部支部
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