西日本皮膚科
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治療
皮脂欠乏性膚炎および小児アトピー性皮膚炎患者に対するオーツ麦エキス配合入浴剤の使用経験
前田 学高木 肇清島 真理子中谷 明美長田 和子北島 康雄藤広 満智子桑原 まゆみ鷲見 烈長谷川 核三伊藤 隆
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1996 年 58 巻 6 号 p. 1045-1051

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抄録

オーツ麦エキスを角層細胞間脂質類似の油性保湿剤を主成分とする入浴剤に配合した際の効果を検討するためにオーツ麦エキスを除いた入浴剤を対照として臨床試験を行い以下の結果を得た。1. 皮脂欠乏性皮膚炎の患者46例にオーツ麦エキス配合と未配合の入浴剤を使用させたところ(被験入浴剤26例, 対照入浴剤20例), 『そう痒』, 『紅斑』, 『乾皮症』および『鱗屑』において両者とも有意な改善が認められた(Wilcoxon符号順位検定, P<0.01, 対照入浴剤の『紅斑』のみP<0.05)。しかし両入浴剤間での各皮疹の改善度, 全般改善度および有用性には有意な差は認められなかった。2. 小児アトピー性皮膚炎の患者46例に両入浴剤を使用させたところ(被験入浴剤23例, 対照入浴剤23例), 『そう痒』, 『紅斑』, 『丘疹·小水疱』, 『乾皮症』および『鱗屑』において両者とも有意な改善が認められた(符号順位検定, P<0.01, 対照入浴剤の『紅斑』, 『丘疹·小水疱』のみP<0.05)。また両入浴剤での成績を比較したところ, 『そう痒』の改善度において被験入浴剤使用群の方が対照入浴剤使用群に比し有意に優れていた(χ2検定, 2段階以上改善の割合, P<0.05)。他の皮疹の改善度, 全般改善度および有用性においては両入浴剤間に有意な差は認められなかった。

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© 1996 日本皮膚科学会西部支部
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