西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
治療
湿疹·皮膚炎および蕁麻疹に対するアステミゾール(ヒスマナール®錠)の使用経験
宋 寅傑
著者情報
ジャーナル 認証あり

1997 年 59 巻 1 号 p. 147-151

詳細
抄録

昭和大学医学部附属病院皮膚科を受診した湿疹·皮膚炎患者16例, 蕁麻疹患者14例を対象としてアステミゾール(ヒスマナール®錠)投与の有効性, 安全性を検討した。臨床症状の推移を観察し得たのは湿疹·皮膚炎12例, 蕁麻疹8例であった。全般改善度は「著明改善」および「改善」の合計が湿疹·皮膚炎において66.6%, 蕁麻疹においては50.0%であった。症状別重症度推移では湿疹·皮膚炎におけるそう痒に関して投与前「中等度」91.7%, 「軽度」8.3%であったものが, 投与終了時には「中等度」8.3%, 「軽度」33.3%, 「症状なし」58.3%となった。皮膚症状に関しては投与前「中等度」91.3%, 「軽度」8.3%であったものが, 投与終了時には「中等度」8.3%, 「軽度」50.0%, 「症状なし」41.7%となった。蕁麻疹においてはそう痒に関して投与前「中等度」100%であったものが, 投与終了時には「高度」12.5%, 「中等度」50.0%, 「症状なし」37.5%となった。皮膚症状に関しては投与前「中等度」100%であったものが, 投与終了時には「高度」12.5%, 「中等度」25.0%, 「軽度」25.0%, 「症状なし」37.5%となった。副作用は30例中2例(6.7%)に軽度の眠気が認められたが従来の抗ヒスタミン剤の発現頻度に比し低率であった。以上のことから本剤はそう痒性皮膚疾患に対する有用な薬剤のひとつであると考えられた。

著者関連情報
© 1997 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top