西日本皮膚科
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症例
大量消化管出血, 多発性皮膚潰瘍および皮下硬結を合併した皮膚筋炎
水田 良子安田 勝名西 史夫盧 徳鉉
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1997 年 59 巻 2 号 p. 217-221

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抄録

大量消化管出血, 躯幹の多発性皮膚潰瘍および大腿部の板状皮下硬結を生じた皮膚筋炎の50歳の女性例を経験した。発病より10年後の今回, 躯幹の多発性皮膚潰瘍で入院中, 大量消化管出血をきたした。消化管出血は大量輸血とembolizationで止血し救命しえたが, この時血管造影により上腸間膜動脈の異常が確認された。皮膚潰瘍の病理組織標本には細小動脈の血栓形成などの閉塞性血管病変が見出された。Systemic angiopathy(Banker)の概念を満たす症例であると思われる。また6年前(発病の4年後)には大腿部に皮下硬結を生じており, Winkelmannのいう皮膚筋炎の脂肪織炎に一致すると思われる。間質性肺炎は現在までみられていない。

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© 1997 日本皮膚科学会西部支部
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