西日本皮膚科
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統計
広島大学皮膚科における最近13年間の重症熱傷の統計的検討
岩崎 泰政森 保波多野 裕二森田 栄伸田中 稔彦山本 昇壯岡林 清司
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1997 年 59 巻 3 号 p. 407-412

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抄録

広島大学医学部附属病院皮膚科において, 最近13年間に治療したICUに入室した重症熱傷患者194例について統計的検討を行った。年度別症例数では1990年までは増加傾向にあったが, 小児例の占める割合は減少した。年齢別では10歳未満と40歳台が多かった。受傷原因では小児例は加熱液体, とくに浴槽転落による受傷が最も多く, 成人例では加熱気体, とくに自殺企図が最も多かった。受傷場所は当施設より60km以内の距離がほとんどであった。熱傷面積の平均は44.1%体表面積であり, 世代間には差がなかったが, burn indexの平均は31.3であり, 成人例は小児例に比べ有意に高くIII度熱傷の症例が多かった。SCALDS scoreは全例10以上で平均は15.6であり, 成人例と老人例は小児例に比べ有意に高く重症であった。予後は救命157例, 死亡37例で死亡率は19.1%であり, また高齢化とともに不良となった。

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© 1997 日本皮膚科学会西部支部
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