59 巻 (1997) 3 号 p. 413-426
アトピー性皮膚炎に対する新規免疫抑制剤FK506(タクロリムス)軟膏の濃度設定を目的として, 顔面·頚部の急性型病変および躯幹·四肢の慢性型病変を対象にFK506軟膏のそれぞれ3濃度(急性型: 0.03%, 0.1%, 0.3%を1週間塗布, 全152例, 慢性型: 0.1%, 0.3%, 0.5%を3週間塗布, 全147例)の有効性および安全性を二重盲検群間比較試験で検討した。急性型病変に対して最終全般改善度で各濃度とも90%以上の改善率(「中等度改善」以上)を示し, 3日後全般改善度では濃度依存的な傾向が認められた。各濃度とも塗布部位に一過性の刺激感を示した(約60%)が, 感染症, 臨床検査値異常変動は0.3%群においてのみ認められた(それぞれ3/51例および2/51例)。慢性型病変に対しては, 最終全般改善度で「中等度改善」以上が3濃度とも85%以上の高率であったが, いずれの観察時期においても用量依存性は認められなかった。各濃度とも塗布部位での刺激感が同程度(32.6∼54.2%)に認められたが, 感染症, 臨床検査値異常変動は0.5%群においてのみ認められた(いずれも1/48例)。以上よりFK506軟膏の有効濃度は両病変とも大差なく, 有効性, 安全性より0.1%が妥当であることが示唆されたが, 慢性型病変に対して, さらに低濃度での検討が必要と結論された。