西日本皮膚科
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症例
外陰部に生じたTransient Acantholytic Dermatosis
—産後および月経後に再発を繰り返す1例—
溝口 志真子瀬戸山 充神崎 保
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1997 年 59 巻 6 号 p. 835-837

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抄録

27歳の女性, バングラデシュ人。月経後, 外陰部に激しいそう痒を伴う紅色丘疹が出現した。過去2回の産後にも同様の症状が認められたが, ステロイド外用剤で軽快していた。組織所見は棘融解細胞を伴った表皮内水疱であり, 直接蛍光抗体法では免疫グロブリンや補体の沈着は認められなかった。電顕的観察で表皮細胞のトノフィラメントの核周囲凝集やdyskeratotic cellが観察された。臨床および病理組織所見よりtransient acantholytic dermatosisと診断した。ステロイド外用のみでは完治しなかったため, etretinate内服を併用したところ, 皮疹は約6週間で消退した。

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© 1997 日本皮膚科学会西部支部
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