西日本皮膚科
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症例
疱疹状膿痂疹
小寺 華子萱場 光治三砂 範幸成澤 寛
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1998 年 60 巻 1 号 p. 15-18

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抄録
症例は25歳の女性。初回妊娠9ヵ月で腹部に紅斑が出現し, 次第に拡大して全身の紅斑局面上には膿疱の集簇が認められるとともに微熱·倦怠感などの全身症状を伴うようになった。膿疱の細菌培養は陰性で, 病理組織像でKogojの海綿状膿疱が認められた。乾癬の既往·家族歴はなかった。疱疹状膿痂疹の診断で入院したが, 入院当日に破水した。疱疹状膿痂疹に対しては無治療のまま自然分娩により健常な女児を出産した。分娩2日後には膿疱の再燃を認めたためステロイド内服を行い皮疹は消退し, 現在までに乾癬性病変などの出現はみられていない。
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© 1998 日本皮膚科学会西部支部
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