西日本皮膚科
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症例
Hypereosinophilic Syndrome
高松 由佳佐渡 友美白崎 文朗坂井 秀彰竹原 和彦清水 巍
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1998 年 60 巻 2 号 p. 134-136

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抄録

血清ECP値, 血清IL-5値の上昇が認められたhypereosinophilic syndromeの1例を報告した。症例は49歳の男性。初診の2年前から気管支喘息の治療中であった。10日前に発熱, 関節痛, 筋肉痛とともに顔面·躯幹·四肢に浮腫性紅斑, 浸潤性紅色局面が出現した。末梢血好酸球増多, 血清ECP値, 血清IL-5値の上昇を認めた。病理組織学的に真皮全層に瀰漫性の密な好酸球浸潤が認められたが, 肉芽腫性の変化や血管炎の所見はみられなかった。プレドニゾロン40mg/日の内服で皮疹は速やかに消退し, 全身症状も軽快した。末梢血好酸球数, 血清IL-5値は病勢に平行して低下した。著明な好酸球増多とともに全身症状, 皮疹が出現したことから, 病理組織所見とあわせてhypereosinophilic syndromeと診断した。

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© 1998 日本皮膚科学会西部支部
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