西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
アロポー稽留性肢端皮膚炎
—Etretinate少量内服が著効を示した1例—
村本 剛三内平 孝雄亀井 敏昭
著者情報
ジャーナル 認証あり

1998 年 60 巻 2 号 p. 146-149

詳細
抄録

我々は60歳女子の手指末梢に小膿疱を生じた限局性のアロポー稽留性肢端皮膚炎の1症例を経験した。膿疱部の病理組織像に, 過角化·表皮突起の延長·Kogojの海綿状膿疱の所見が認められた。ステロイド剤外用·内服, 抗生剤の外用·内服は効果がなく, etretinate 10 mg(0.25mg/kg/日)が著効を示した。内服2週間後には膿疱の新生はなくなり, 18ヵ月経つ現在, 副作用もなく軽度の鱗屑を残すのみで, 爪甲の再生もみられ, 略治状態にある。アロポー稽留性肢端皮膚炎におけるetretinate少量内服療法の有用性について, 文献的考察をまじえ報告した。

著者関連情報
© 1998 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top