西日本皮膚科
研究
アトピー性皮膚炎における塩水療法
—左右比較試験による有用性の検討—
平松 正浩清野 みき長瀬 彰夫新井 達向井 秀樹
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60 巻 (1998) 3 号 p. 346-349

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抄録

難治性または重症のアトピー性皮膚炎患者の治療法として我々は塩水療法をおこなってきたが, これらの使用経験から本療法に止痒効果が期待できた。そこで, この止痒効果の有無を確認する目的で, 同程度の皮疹を有する前腕部を用いて, 塩水と真水で左右比較試験をおこなった。痒みの評価にはvisual analogue scale method(VAS法)を用いた。10段階評価でおこなった治療前の痒みのスコアは5.05±1.53に対し, 治療4週後のスコアは塩水側が2.79±2.35, 真水側が3.90±2.20であった。両者とも治療前に比べ統計学的に有意にスコアは低下したが, 両者間には2週, 4週目ともに明らかな有意差が認められた。さらに本療法は臨床像から急性期の発疹に効果が高く, 慢性化した病巣ほど有効率が低下する傾向がみられた。以上の結果から本療法は洗浄効果に加え止痒効果が期待でき, 痒みのコントロールしにくい急性期の発疹に対して補助療法として試みる価値があると考えた。

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© 1998 日本皮膚科学会西部支部
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