西日本皮膚科
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症例
巨大なドーム状を呈した隆起性皮膚線維肉腫
安齋 眞一前田 邦彦松田 幹夫
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1998 年 60 巻 4 号 p. 467-470

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抄録

症例は64歳男性。初診2年前から右前胸部に腫瘍が認められたが, 数ヵ月前から急速に増大した。初診時胸部右側に9×8×4cmのドーム状隆起性, 表面皮膚色·平滑で毛細管拡張を伴う腫瘍がみられた。病理組織学的には紡錘形細胞が多くの部分で花むしろ状に増殖し, 間質に粘液性変化を伴った隆起性皮膚線維肉腫の像と思われた。免疫組織化学的にも腫瘍細胞はCD34陽性·第XIII因子陰性からその診断は支持された。臨床的にも, 病理組織学的にも明らかな被膜を形成した巨大ドーム状の隆起性皮膚線維肉腫は稀と考え報告した。

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© 1998 日本皮膚科学会西部支部
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