西日本皮膚科
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治療
0.05%酪酸プロピオン酸ベタメサゾン軟膏(アンテベート®軟膏)の小児アトピー性皮膚炎に対する臨床的有用性と副腎皮質機能への影響の検討
中山 樹一郎古江 増隆
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1998 年 60 巻 4 号 p. 524-528

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抄録

1歳から15歳までの小児アトピー性皮膚炎患者14例を対象として酪酸プロピオン酸ベタメサゾン(アンテベート®軟膏)外用の臨床効果と副腎皮質機能への影響について検討した。塗布面積の平均は約4250cm2, 塗布面積の割合は35.6%であった。アンテベート®軟膏の使用状況は, 総使用量が約32.0g, 平均外用期間は26.1日, 1日当たりの平均使用量は1.2gであった。臨床効果は14例中12例が著しく軽快以上と極めて有効であった。各観察日における血漿ACTH, 血清コルチゾール, 尿中17-OHCS値は個々の症例では治療開始2週後に一過性の低下がみられるものが散見されたが, 全体として統計学的に有意の変動はみられなかった。従ってアンテベート®軟膏4週間外用では小児アトピー性皮膚炎患者の副腎皮質機能への影響はほぼないと結論された。

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© 1998 日本皮膚科学会西部支部
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