1999 年 61 巻 2 号 p. 131-133
49歳男性の強直性脊椎炎患者に生じたpustular vasculitisの1例を報告した。発熱と同時に下肢に紫斑, 壊死性紅斑, 膿疱が多発, 下腿の腫脹も認めた。強直性脊椎炎による元来の関節痛の増悪はなかった。顕微鏡的血尿もみられた。膿疱を伴う皮疹部の病理組織では表皮内および表皮下膿疱と, 真皮のleukocytoclastic vasculitisの所見がみられた。ステロイドの内服で諸症状は速やかに軽快し, 初診時にみられたIgA高値も正常化した。自験例は, pustular vasculitisという概念にあてはまると考えた。