西日本皮膚科
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研究
白癬の感染経路の実験的検討
—足と爪白癬以外の病型について—
加藤 卓朗丸山 隆児渡辺 京子谷口 裕子西岡 清
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1999 年 61 巻 2 号 p. 209-212

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抄録

足白癬および足からの直接の進達と考えられる爪白癬以外の生毛部, 頭部, 手白癬などの感染経路に関して, まず仮説を立て, 次にこの仮説上の感染経路が実際に起こりうるか実験的に検討した。仮説として, (1)病変部→非罹患部, (2)病変部→環境(マット, 下着, その他の日用品など)→非罹患部, (3)病変部→手指→非罹患部, (4)病変部→環境→手指→非罹患部を考えた。実験方法はTrichophyton mentagrophytesによる未治療の足白癬患者(25歳男)を感染源とし, 白癬に罹患していない健常人(42歳男)を被験者とした。培地として5-fluorocytosineなどを添加したサブロー·ブドウ糖寒天培地, 培養法として被験部位を直接圧抵するfoot-press培養法(足底), hand-press法(手掌と指腹), finger-press法(指腹)など, およびhairbrush法(頭髪)を用いた。仮説に対して, (1)患者の足底に被験者の皮膚(手, 手指, 頭髪, 肘)を接触後培養, (2)患者が踏んだ足拭きマット, あるいは足底を拭いた布タオルに被験者の皮膚を接触後培養, (3)足底に被験者の右手を接触, その右手で皮膚を擦過後培養, (4)患者が踏んだマットに被験者の右手を接触, その右手で皮膚を擦過後培養した。その結果, 全20検体のうち(1)の頭髪を除くすべての検体からT. mentagrophytesを分離した。とくに直接接触よりマット, タオル, 手指を介した方が, 多数の集落が生える傾向にあった。以上から前述の仮説上の感染経路のすべてに可能性があることが証明された。

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© 1999 日本皮膚科学会西部支部
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