西日本皮膚科
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治療
難治性皮膚疾患に対する0.1%フランカルボン酸モメタゾン(フルメタ®軟膏)の塗布回数漸減法による有用性の検討
広島フランカルボン酸モメタゾン研究班
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1999 年 61 巻 2 号 p. 235-239

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抄録

難治性の湿疹·皮膚炎群および尋常性乾癬, 掌蹠膿疱症に対する0.1%フランカルボン酸モメタゾン軟膏の外用漸減療法の有用性を検討した。1日2回の外用にて治療を開始し, 症状の改善にしたがって1日1回の外用とし, 症状の変化とともに局所および全身性の副作用を観察した。各疾患の皮膚所見は2週目から明らかに軽快し, いずれの症例においても塗布回数を減じても明らかな悪化をみなかった。平均塗布回数がほぼ1日1回となったのは6週目からであった。また試験開始時の1日平均外用量は3.8gであったが, 6週目では1.7gとなった。副作用として62例中2例に局所性の副作用(軽度毛細血管拡張, 体部白癬)が認められた。全身性の副作用の指標として用いた血清コルチゾール値は試験前後での変動を検討し得た61例中10例において試験開始後4週もしくは8週目において明らかな低下が認められた。本試験の結果は湿疹·皮膚炎群, 尋常性乾癬, 掌蹠膿疱症におけるステロイド外用の漸減療法の有用性を示唆している。この方法は副作用の軽減, 患者のコンプライアンスの点からみても有用と思われる。

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© 1999 日本皮膚科学会西部支部
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