西日本皮膚科
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症例
マイトマイシンCによる薬剤性皮膚壊死の経時的観察及びその治療について
大澤 徳哉石原 政彦安岐 敏行浦島 玲子三原 基之
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1999 年 61 巻 3 号 p. 294-297

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抄録

58歳, 男性。大腸癌根治手術の術中, 左手背部よりマイトマイシンCの点滴静注が行われ, 術後, 同部位に腫脹を伴う有痛性紅斑が出現した。保存的治療に抵抗し, 広汎な皮膚壊死に陥ったため, デブリードマン後真皮欠損用グラフト(テルダーミス®)で被覆した。この後, 良好な肉芽形成は認められなかったものの, 深部及び辺縁組織への壊死の拡大傾向は抑制された。同時に指伸筋の腱の温存も可能であった。最終的には浅腸骨回旋動脈を栄養血管とする鼠径部皮弁を用いて再建を行い, 機能的に良好な結果を得た。

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© 1999 日本皮膚科学会西部支部
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