西日本皮膚科
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症例
生毛部急性深在性白癬の1例
大野 友也小池 俊一柳原 健志出来尾 哲地土井 襄璽
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1999 年 61 巻 3 号 p. 334-337

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抄録

19歳の男性。中学生の頃よりアトピー性皮膚炎があったが, 最近増悪し近医にてステロイド外用剤による治療を受けていた。初診の4∼5日前, 両下肢に紅斑性皮疹が生じ, 急速に拡大, 増悪し, 疼痛を訴えるようになった。初診時に鏡検にて皮疹部の鱗屑, 痂皮に白癬菌を証明した。培養所見よりその真菌はTrichophyton mentagrophytesと同定された。病理組織像は真皮全層にわたり好中球, リンパ球を主体とした炎症細胞の密な浸潤があり, 一部に肉芽腫性炎症の像がみられた。イトラコナゾール(100mg/day)内服にて約6週間後に治癒した。

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© 1999 日本皮膚科学会西部支部
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