西日本皮膚科
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治療
慢性蕁麻疹に対するフマル酸エメダスチン(ダレン®)の臨床的効果
—特に機械性蕁麻疹における有用性について—
高森 健二吉池 高志相川 洋介三浦 優子角田 美英小川 秀興
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ジャーナル 認証あり

1999 年 61 巻 3 号 p. 355-362

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抄録

慢性蕁麻疹患者50例を対象としてフマル酸エメダスチン(ダレン®)の2mg/日, 5週間投与(可能なものは9週間投与)による臨床効果を, 医師による客観的評価と患者アンケートによる自己申告法により検討した。慢性蕁麻疹の発症因子とその頻度は, 物理性(94.0%), 心因性(18.0%), コリン性(10.0%), アトピー性と思われるもの(8.0%), 食事性(6.0%), 薬剤性(4.0%), 接触性(0%)であり, 物理的原因による蕁麻疹が最も多かった。物理性蕁麻疹の発症因子は, 機械性(59.6%), 温熱(55.3%), 寒冷(8.5%), 日光(6.4%)の順であった。かかる背景を有する症例50例に対しての本剤投与による臨床効果であるが, 全般改善度は中等度改善以上が63.0%(29例/46例)であった。最も多かった物理性蕁麻疹の発症因子別全般改善度は, 機械性, 温熱がそれぞれ74.1%(20例/27例), 52.0%(13例/25例)であった。例数は少ないもののコリン性, 心因性, アトピー性はそれぞれ80.0%(4例/5例), 44.4%(4例/9例), 100%(3例/3例)であった。概括安全度は「安全性に問題なし」が96.0%(48例/50例)で, 2例に副作用(軽度の眠気と重度の眠気を呈したもの各1例)が認められた。以上の結果からダレン2mg/日(朝, 就寝前各1mg)投与は, 慢性蕁麻疹, 特に難治性とされる機械性蕁麻疹の治療に有用であることが示された。また, 今回用いた患者アンケート調査は発症因子や, 増悪因子を検索する上で非常に有用であった。

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© 1999 日本皮膚科学会西部支部
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