西日本皮膚科
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症例
発症時Erythema Exsudativum Multiforme Bullosumの臨床像を呈し, 経過とともに全身に紅斑·水疱を生じた水疱性類天疱瘡の重症例
渡辺 秀晃永田 茂樹西尾 和倫角地 智加子末木 博彦飯島 正文橋本 隆
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1999 年 61 巻 4 号 p. 443-447

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抄録

46歳の男性。昭和大学医学部附属病院皮膚科初診約1ヵ月前より足底·趾間に紅斑·小水疱が出現し, 漸次, 躯幹·四肢に拡大した。13日前に当科関連病院を受診し, iris lesionを伴うことからerythema exsudativum multiforme bullosumを疑診されプレドニゾロン(prednisolone: PSL)0.75∼1.4mg/kg/dayの投与を受けていたが軽快せず当科へ転院した。転院時ほぼ全身に浮腫性紅斑および大小種々の緊満性水疱·びらんが多発していた。末梢血好酸球数は14500/μlであった。水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid: BP)を疑い生検した。病理組織学的に表皮下水疱を認め, 真皮上·中層にリンパ球, 好酸球を主体とした細胞浸潤がみられた。蛍光抗体直接法で表皮·真皮境界部にIgG, C3が線状に沈着, 免疫ブロット法で180kD, 230kDのBP抗原と反応し, BPと診断した。PSL 1mg/kg/day 10日間の投与で水疱の新生が続くためアザチオプリン150mg/dayを併用し著効したが骨髄抑制を生じ, シクロスポリン4mg/kg/dayに変更し1ヵ月間投与してPSLを漸減。20ヵ月後の現在もPSL 0.25mg/kg/dayを内服し外来通院中である。本症例は発熱を伴って紅斑·水疱が急速に全身に拡大·融合し紅皮症様を呈したことよりerythrodermic BPの範疇に含まれる症例と考えられた。

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© 1999 日本皮膚科学会西部支部
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