西日本皮膚科
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症例
ヒト乳頭腫ウイルス60型による足底疣贅の1例
高濱 英人鹿島 真人江川 清文
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1999 年 61 巻 5 号 p. 639-641

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抄録

21歳の女性(主婦)。3年前, 左足底に小丘疹が出現したが放置。徐々に拡大した為当科受診した。土踏まずの部分に単発する, わずかに隆起する正常皮膚色の軽度角化性の円形扁平丘疹で, 表面には皮溝が保たれていた。自覚症状はなかった。局所麻酔下に全切除した標本のHE染色にて軽度の乳頭腫症, 角質増殖, 表皮肥厚を認め, 角層内の空胞構造と顆粒層の細胞の一部に認められる細胞内好酸性無構造物質が特徴的であった。抗ウシ乳頭腫ウイルス抗体を用いたABC法にて, これら角質内空胞構造および細胞内物質を有する細胞の核に乳頭腫ウイルス抗原を認めた。さらにビオチン化HPV 60 DNAをプローブとしたin situ hybridization法にて, 空胞構造および有棘層上層の細胞核に陽性を認め, 本病変をHPV 60型による足底疣贅と診断した。

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© 1999 日本皮膚科学会西部支部
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