西日本皮膚科
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症例
心臓カテーテル操作に伴う放射線照射によって生じた慢性放射線皮膚炎の2例
石川 牧子宋 寅傑末木 博彦飯島 正文林 健湧川 基史
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1999 年 61 巻 6 号 p. 731-736

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抄録

心臓カテーテル(以下心カテ)操作に伴うX線照射により生じた慢性放射線皮膚炎の2例を経験し, retrospectiveに総X線照射量を算出し得たので報告する。症例1: 60歳の女性。1997年2月から3月, 心筋梗塞にて昭和大学病院(以下当院)内科に入院。Coronary angiography (CAG), percutaneous transluminal coronary angioplasty (PTCA) のため胸背部右側にX線照射を受けた。4月右乳房下と中背部右側に紅斑が出現したため当科を受診。固定薬疹を疑い, 薬剤貼布試験を施行したが陰性。1998年1月右乳房下に硬結が出現。乳癌を疑い生検したが, 病理組織学的には真皮と皮下組織の著明な線維化のみであった。当科の初診から約1年後, CAG 3回, PTCA 2回計58.5GyのX線照射歴が確認され本症と診断。症例2: 68歳の女性。不安定狭心症にて1995年2月当院内科に入院。3月右乳房下に紅斑が出現。近医皮膚科にて固定薬疹を疑われた。1997年2月右乳房下に硬結が出現し潰瘍化。本人が乳癌を疑い他院を受診。1995年から1996年にCAG 4回, PTCA 3回計45.5GyのX線照射歴が判明し本症と診断された。1998年7月治療を希望し当科を受診。心カテに伴う放射線皮膚炎にはこれまで関心が払われておらず, 大量のX線照射が行われていたが, 現在では各施設で線量の自主的な規制が行われている。

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© 1999 日本皮膚科学会西部支部
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