西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
研究
Acyclovir(ACV)耐性単純ヘルペスウイルス皮膚接種マウスにおけるVidarabineクリームの効果
皆川 洋子
著者情報
ジャーナル 認証あり

1999 年 61 巻 6 号 p. 770-774

詳細
抄録

Acyclovir(ACV)耐性単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)を経皮的に感染させたマウスを用いて, vidarabineクリームの効果をvidarabine軟膏およびクリーム基剤(placebo)と比較検討した。HSV-2側腹部皮内接種マウスにおいて, vidarabineクリームを塗布した群は, 対照群(薬剤非投与群およびクリーム基剤を塗布した群)と比較して, 死亡率に有意な低下がみられた。また, vidarabineクリーム群およびvidarabine軟膏群は, 対照群と比較して生存期問の有意な延長が認められた。一方, vidarabineクリーム群とvidarabine軟膏群の間には, 死亡率, 生存期間および帯状皮疹形成率のいずれにおいても有意な差は認められなかった。なお, 薬剤非投与群とクリーム基剤群の間には, 死亡率, 生存期間および帯状皮疹形成率のいずれにおいても有意な差は認められなかった。以上の結果から, ACV耐性HSV-2の経皮的感染マウス実験系において, vidarabineクリームには, vidarabine軟膏と同等の効果があると結論された。

著者関連情報
© 1999 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top