西日本皮膚科
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症例
KID(Keratitis, Ichthyosis, Deafness)症候群の1例
永田 祥子東 裕子川畑 久福留 由紀神崎 保
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2000 年 62 巻 1 号 p. 23-27

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抄録

5歳の男児。生下時より爪の白濁,変形がみられ,頭毛は疎であった。次第に全身皮膚の角化傾向が著明となり,視力低下,難聴も明らかとなった。1998年5月,当科入院精査。全身性のkeratoderma,耳鼻科にて高音域を中心とした感音性難聴(deafness),眼科にて血管増殖性角膜炎(keratitis)と診断された。また下腿の疣贅状結節からの生検でPAS染色にて菌糸が認められ,更に培養の結果, Candida albicansを検出した。歯科的にはC3以上のカリエスが多数みられたが,身体的発育異常やアキレス腱の短縮や神経学的異常はみられなかった。発汗テストにおいて低発汗症が認められた。以上の所見から皮膚カンジダ症を併発したKID(Keratitis, Ichthyosis, Deafness)症候群と診断した。

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© 2000 日本皮膚科学会西部支部
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