西日本皮膚科
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症例
家族内に悪性腫瘍が多発したWerner症候群の1例
溝口 雅子籏持 淳新海 浤後藤 眞
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2000 年 62 巻 1 号 p. 28-30

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抄録

54歳の女性。低身長·低体重,細い四肢とビヤ樽状体幹,鳥様顔貌,白髪,禿頭,両側白内障,皮膚·皮下組織の萎縮,皮膚潰瘍,アキレス腱の石灰沈着,糖尿病などが認められ,典型的なWerner症候群と診断された。両親はいとこ婚で,9人兄弟中,6人に肺癌,肝細胞癌,甲状腺癌など,悪性腫瘍の発生が認められた。患者末梢血細胞のゲノムDNAを用い,Werner症候群遺伝子(WRI)における既知の主要な3種の突然変異について検索したが,いずれも検出されなかった。Werner症候群,家族における悪性腫瘍の頻度,Werner症候群遺伝子(WRN)について若干の考察を加え報告した。

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© 2000 日本皮膚科学会西部支部
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