西日本皮膚科
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治療
難治性褥瘡に対するブロメライン軟膏の使用経験
中山 樹一郎
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2000 年 62 巻 2 号 p. 261-262

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抄録

82歳,男性。多発性脳梗塞,痴呆で寝たきりとなり,平成10年11月に福岡県筑豊地方の社会保険病院に入院。入院時すでに背部に褥瘡変化あり。壊死除去術および肉芽形成促進剤の外用するも極めて難治であった。平成11年7月再び壊死除去術を施行,その後蛋白分解酵素製剤のブロメライン軟膏を塗布。外科的手術後に残存した小さな壊死組織が消失し,褥瘡表面の性状も著明に改善した。その後肉芽形成促進剤の外用に変更し4ヵ月後の現在,褥瘡表面の良好な肉芽形成状態が続いている。ブロメライン軟膏の塗布による褥瘡周囲の発赤などの刺激症状はみられなかった。褥瘡治療において,エレース®-C軟膏が製造中止された現在,ブロメライン軟膏はエレース®-C軟膏にかわる強力な蛋白分解酵素製剤と考えられる。

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© 2000 日本皮膚科学会西部支部
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