西日本皮膚科
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症例
耳介に有棘細胞癌,耳後部に基底細胞癌が近接して合併した1例
—有棘細胞癌と基底細胞癌の合併例の文献的考察を含めて—
半田 芳浩榊原 章浩山中 直樹
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2000 年 62 巻 3 号 p. 329-332

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抄録

91歳,女性。左耳輪部に出血を伴う直径15mmのドーム状に隆起した表面顆粒状の腫瘤を認めた。また左耳垂後面基部に光沢があり,滲出液と一部に痂皮を伴う小結節が5~6個融合したような20×15mmの黒色腫瘤を認めた。全摘標本の病理組織学的所見より,前者はstage Iの有棘細胞癌,後者は結節型の基底細胞癌と診断した。有棘細胞癌と基底細胞癌は日常診療でしばしば遭遇する皮膚悪性腫瘍である。これらの皮膚悪性腫瘍の合併はときに報告されることがあるが,今回我々の経験したように左耳に近接して合併した症例は稀と思われるので,文献的考察を加えて報告した。

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© 2000 日本皮膚科学会西部支部
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