西日本皮膚科
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症例
塩酸メキシレチンによるHypersensitivity Syndromeの3例
萱場 光治田中 達朗三砂 範幸成澤 寛
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2000 年 62 巻 3 号 p. 338-342

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抄録

症例1: 56歳,女性。心室性期外収縮に対し塩酸メキシレチンを服用20日後,全身にそう痒を伴う紅斑と丘疹の出現を認めた。症例2: 50歳,男性。急性心筋梗塞,心室性期外収縮に対し塩酸メキシレチンを服用30日後,全身にそう痒を伴う紅斑と丘疹の出現を認めた。症例3: 66歳,女性。不整脈に対し塩酸メキシレチンを服用24日後,全身にそう痒を伴う紅斑と丘疹の出現を認めた。3例とも共通して発熱,肝機能障害,異型リンパ球の増加を認め,2例ではリンパ節の腫脹を認めた。副腎皮質ステロイドの全身投与を行ったが,全例減量に伴い皮疹の再燃を認め中止まで長期間を要した。Patch testにて全例陽性であり,内服試験は行わなかったが塩酸メキシレチンによるhypersensitivity syndrome(HS)と診断した。塩酸メキシレチンによる薬疹の臨床事項の特徴について報告した。

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© 2000 日本皮膚科学会西部支部
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