西日本皮膚科
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研究
膠原病患者におけるマイクロキメリズムの検討
宮下 祐子小野 雅史小野 麻理子植木 宏明
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2000 年 62 巻 3 号 p. 353-356

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抄録

当施設で経過観察中の男児出産歴のある全身性強皮症(SSc),全身性エリテマトーデス(SLE),シェーグレン症候群患者(SjS)を対象にfetal microchimerismを検討した。末梢血中に残存する胎児由来細胞を,Y染色体マーカー(DYZ 1)を用いて二段階PCR法にて検出した。さらにY染色体検出群,非検出群間の病型,臨床症状,自己抗体の差異について比較,検討した。結果,対照の健常者女性では20例中2例(10%)の末梢血抽出ゲノムDNA中にDYZ 1が検出されたのに対し,SSc患者17例中8例(47.7%)にDYZ 1配列が検出され,有意(p=0.031)に高頻度であった。またSLE 9例, SjS 4例の末梢血抽出ゲノムDNA中にDYZ 1配列は検出されなかった。一方SScの臨床像との比較検討で, DYZ 1配列が検出された群において,皮膚硬化が中枢側に及び様々な内臓病変を伴う症例が多い傾向にあり,多彩な自己抗体の出現を認めた。また原発性胆汁性肝硬変を合併した3例すべてよりDYZ 1配列を検出した。

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© 2000 日本皮膚科学会西部支部
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