西日本皮膚科
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治療
皮膚そう痒症に対するレミカット®カプセル(フマル酸エメダスチン)の効果発現日に関する検討
計盛 幸子山之内 寛嗣松下 泰三田中 正和阿南 貞雄堀 真片山 一朗山本 憲嗣
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2000 年 62 巻 5 号 p. 679-685

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抄録

皮膚そう痒症におけるレミカット®カプセル(フマル酸エメダスチン)の止痒効果発現日ならびに有効性,安全性について「かゆみ日記」による調査を中心に検討した。レミカット®カプセルは,1日2~4mg,原則として4週間投与した。解析対象となった33例のうち,経時的な改善度は「改善」以上が3日後37.5%,1週後41.2%,2週後44.8%,4週後63.6%であった。最終全般改善度は「改善」以上が69.7%,概括安全度は「ほぼ安全である」以上が93.9%,有用度は「有用」以上が60.6%であった。また,調査終了時の患者の印象では「良くなった」以上が63.6%であった。効果発現日の検討を行った28例において「かゆみ日記」などで2段階以上の改善が認められた症例の割合は,投薬後5日以内で35.7%,10日以内で57.1%であり,平均7.0日であった。1段階以上の改善は89.3%の症例で5日以内に認められ,平均2.9日後であった。以上の結果から,レミカット®カプセルは皮膚そう痒症においても速効性が期待できる有用な薬剤であると考える。

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© 2000 日本皮膚科学会西部支部
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