62 巻 (2000) 6 号 p. 739-743
72歳,女性。初診の約7年前より左上眼瞼に小結節を認め,次第に増大し,潰瘍を伴う結節となった。上眼瞼結節の切除および下眼瞼を用いた有茎複合組織移植術を施行した。結節は,病理組織学的に眼瞼脂腺癌であり,浸潤形態よりZeis腺癌が考えられたがマイボーム腺癌も完全に否定できなかった。また初診の4年前に直腸癌の既往があり,Muir-Torre症候群と診断した。術後約2年,直腸癌,眼瞼脂腺癌ともに再発を認めていない。自験例は,Muir-Torre症候群に併発した眼瞼脂腺癌としては,本邦では初めての報告である。