西日本皮膚科
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治療
M-732(リラナフタート)クリームの股部白癬に対する培養成績を判定根拠とした臨床第III相比較試験
M-732研究班
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2000 年 62 巻 6 号 p. 788-802

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抄録

2%リラナフタートクリーム(M-732クリーム)の股部白癬に対する臨床的有用性の検討を目的として,1%ビフォナゾールクリーム(BFZクリーム)を対照薬とした多施設共同の無作為化比較試験を行った。治験薬は,1日1回2週間罹患部位に適量を塗布した。培養検査での菌陰性化及び皮膚所見の改善度に基づき最終観察日における有効率を判定したところ,M-732群はBFZ群に比べて同等であることが検証された。また,副次的に評価した中間観察日及び最終観察日における培養検査での菌陰性化率,総合効果·有効率において,M-732群はBFZ群よりも優れていた。皮膚所見の改善度·改善率と有用性·有用率においては,両群間に差が認められなかった。以上より,M-732クリームは, BFZクリームと同等の治療効果を有するとともに中間観察日における有効率の高さより,速効性を臨床的特徴として併せもっことが確認された。なお,安全性においてはBFZ群に劣ったが,総合的に判断すると臨床的有用性を有していると考えられた。

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© 2000 日本皮膚科学会西部支部
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