西日本皮膚科
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症例
Superficial Granulomatous Pyodermaの1例
井戸 敏子若原 真美清原 隆宏石黒 和守熊切 正信上田 惠一青山 文代
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2001 年 63 巻 2 号 p. 112-115

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抄録

56歳,男性。初診の約1年前より陰嚢に潰瘍性病変が生じ,近医にて外用,切除縫縮などの治療を受けたが,再発を繰り返したため当科を初診。コルチコステロイド剤内服療法が奏効し,瘢痕を残し治癒した。10年後,両下腿に潰瘍性病変が多発した。68歳時,難治のため当科に再受診となった。両下腿には小潰瘍を伴い軽度隆起する指頭大の暗赤色局面と毛嚢炎様丘疹が認められた。細菌,真菌,抗酸菌培養はすべて陰性。下腿の皮疹にもコルチコステロイド剤内服療法が著効を示した。病理組織学的には陰嚢および左下腿の潰瘍性病変では,真皮浅層の膿瘍とそれを取り囲む類上皮細胞肉芽腫が認められた。Wilson-Jones & Winkelmannが1988年に報告したsuperficial granulomatous pyodermaと診断した。

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© 2001 日本皮膚科学会西部支部
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