2001 年 63 巻 3 号 p. 274-278
41歳男性の左上腕に,表面疣状のドーム状に隆起した結節を認め,74歳女性の右腰部にはわずかに隆起した結節を認めた。2例ともに,結節は病理組織学的にはgranular cell tumor(以下GCTと略す)であったが,前者では表皮の偽癌性増殖pseudoepitheliomatous hyperplasia(以下PEHと略す)を伴っていた。GCTがPEHの有無で臨床病理学的に相違がみられるのか,自験例の観察を含め文献的に検討した。その結果,有意な所見は得られなかったが,一部の症例は,機械的刺激を受けやすい部位に発症しており,臨床像が乳頭状,疣状を呈していた。