西日本皮膚科
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治療
肛囲Paget病に対する手術方法の検討
水野 寛岩崎 泰政野田 英貴河合 幹雄山本 昇壯竹末 芳生
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2001 年 63 巻 3 号 p. 309-313

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抄録

肛囲Paget病の治療は外科的切除が第一選択であるが,術後に肛門機能が温存できるか否かが大きな問題となる。そのため手術方法の選択が重要になるが,いまだ肛囲Paget病に対する手術方法には確立されたものはない。今回われわれは肛囲Paget病を3例経験し,その手術方法について検討を加えた。症例1: 66歳,男性。びらんを伴う紅斑性局面があり,肛門縁から歯状線まで連続する病変を認めた。症例2: 78歳,男性。びらんを伴う紅斑性局面があり,歯状線を越え直腸まで連続する病変を認めた。症例3: 55歳,男性。紅色腫瘤を伴う紅斑性局面,および肛門から口側1cmまで連続する病変があり,さらに直腸には非連続性の腫瘤も認めた。病理組織学的には3例ともPaget病であり,症例3の直腸病変はadenocarcinomaであった。病変が歯状線を越えていない症例1では,肛門括約筋を温存して腫瘍摘出術を行い,両側V-Y伸展型臀部皮弁で再建を行った。浸潤が歯状線を越え直腸に達している症例2と,直腸癌を合併した症例3では人工肛門造設術および腹会陰式直腸切断術を行った。3例とも再発転移は認めていない。Paget病変の口側への浸潤が歯状線にとどまる場合は,直腸粘膜を引き出すことにより肛門機能の温存が可能と考えられた。

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© 2001 日本皮膚科学会西部支部
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