西日本皮膚科
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症例
急性発症したべーチェット病の1例
弓削 真由美高田 香織五十嵐 司青木 見佳子川名 誠司
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2001 年 63 巻 4 号 p. 371-374

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抄録

症例:50歳,男性。1週間前より,発熱,口腔内アフタ,略全身に毛嚢炎様皮疹が出現。白血球増加,CRP上昇,血沈充進を伴い,セフェム系抗生剤,非ステロイド系消炎鎮痛剤を投与したが改善しなかった。その後,外陰部潰瘍,下肢の結節性紅斑,四肢の関節症状,腹痛,下痢の消化器症状が出現し,不全型べーチェット病と診断した。プレドニゾロン1日20mgとミノマイシンの内服にて軽快。1ヵ月後に中止し,その後,非ステロイド系消炎鎮痛剤の内服にてコントロール良好である。べーチェット病は多彩な症状を呈しながら慢性再発性に経過することが多く,自験例のように急性に発症し,眼症状以外の主要症状がほぼ同時期に出現するものは少ないと思われる。

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© 2001 日本皮膚科学会西部支部
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